伊豆という言葉は、古くから使われてきたものであり、
その由来についても諸説存在しているものです。
伊豆がはじめて書物に登場したのは扶桑略記で
天武天皇9年(680年)7月に
駿河国から2郡を分割して伊豆国とした、
とあり、
また藤原宮跡から出土した木簡には
「伊豆国仲郡」という地名が記載されていた事から、
和銅3年(710年)までには地名として使われていたようです。
また律令時代(7世紀後半から10世紀頃まで)は、
伊豆は流刑の地とされており、
このため当時の知識人にも広く認知されていた場所といえます。
一方で伊豆という言葉については、
不確かなもので一般的に流布しているものとしては
出ずる形の半島というもので、
出(いずる)が語源というものです。
また伊豆半島は温泉が多く湧出していることから
温泉が出る国や、熱海の地名であった井津が転訛したもの、
委奴国(いとこく)との交流があった土地であったということからの転訛などがあります。
いずれにしても「いず」または「いづ」という言葉は、
古代以前から使われていたものであり、
これを律令時代に漢字2文字の国名にすることを義務付けており、
ここから当て字として「伊豆」が使われるようになったと考えられるものです。
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